金沢へ観光する前に知っておいて欲しい4つのこと!より金沢観光を楽しくするため知っておきたいことを金沢市民がまとめました。
2015年3月。北陸新幹線で2時間半で東京から金沢へ来ることが出来る時代になります。
それまでは東京から金沢へ来る際は電車ではまず、東京駅・上野駅で上越新幹線(MAXとき・MAXたにがわ)に乗ります。搭乗時間はおよそ1時間ちょい。その後、越後湯沢で「特急はくたか」に乗り換え。ここからが長い。特急に揺られおよそ3時間。越後湯沢〜直江津〜富山〜金沢。合計4時間かかっていたというわけです。
このルートはかつての参勤交代のルートでもありました。参勤交代は金沢からおよそ二週間かけて江戸へ行っていたというので、それと比較すれば4時間なんて大したことはないのですが、比較するものが違いますね。。
さて、今回は金沢へ旅行する際に知っておいて欲しい4つのコトを金沢市民の私がまとめました。歴史、シーズン、行き方などをまとめてあります。より金沢を楽しむためにちょっとだけお時間ください。
【その1】そもそも金沢とはどういうところなの?
金沢という場所はどういう場所なのか。魚が美味しいところなの?なんとなく古都って感じ?寒いの?前金沢市長「山出保」(やまでたもつ) 著書の「金沢を歩く」(岩波新書) にはこうありました。「金沢の街はどういう街かと問われた時、私はこう答えるようにしています。文化と歴史の街ですと。」そして、前山出市長は金沢の古来から残る町の名前を復活させ、姿を消そうとしていた用水路を人の目につくよう整備を重ねたという経緯があります。
さて、まずは簡単な歴史を知ってほしいとおもいまして3つくらいに分けました。ちょっと退屈かもしれませんがお付き合いを。
前田利家の入城からはじまった
金沢の歴史は前田利家が入城するところから始まると考えていいと思います。天正11年(1583年)入城とされています。前田利家が入城する前には織田信長の武将であった佐久間盛政などが攻め入ったりという歴史がありますが、今の形の原型という意味で前田利家の入場が金沢の始まりと言えます(前田利家入城以前の文献も少なく研究対象にそもそも興味が行っていないのも実際。)。約400年の歴史。それが金沢の街です ( 京都とは比較デキマセン(震)
武家文化が残る街
比較するなと言われそうですが(震) 京都は公家文化であるなら、金沢は武家文化であると言えます。下記を見てみてください。
※「城下町金沢学術研究」より寛文・延宝期の金沢概要図(『図集日本都市史』所収図に加筆 注)藩士名は寛文9年侍帳に基つ?いて木越隆三か?整理(3000石以上の上屋敷を表示)。
赤い部分が町人の住む町家となっています。要するにそれ以外は武士、またはその屋敷ということです。武家関連で育った城下町だったということです。武家のルールのもと育ち、武家屋敷で人が、文化が育つ。この武家文化が今なお金沢には残っていると言われています。
↑ 長町武家屋敷は当時の武家の生活の姿を残す。
参考:
ひがし茶屋街 金沢観光では必ず訪れて欲しい風情残る場所「ひがし茶屋街」の歴史
金沢観光地で一度は訪れて欲しい「ひがし茶屋」のご紹介。東山茶屋とも言います。ひがし茶屋の歴史を知ることでより楽しむことが出来るひがし茶屋です。寛永時代から現在までのひがし茶屋の変遷などをご紹介。( 2014年9月2日公開 / 10年 )
「犀川、浅野川、用水」潤いの街
前田利家の入城以来、犀川(さいがわ)、浅野川(あさのがわ)に挟まれ水で潤った街でしたが、数々の火災に見まわれました。その度に再構築されてきた街でもあります。火災や防衛上の理由から城の周りに多くの惣構(そうがまえ)というお堀・用水を築きました(二重構造になっています)。今でも多くが残っており街のあちこちに水路を目にすることが出来ます。
↓ 下記は太く記されている部分が水路に当たります。金沢の寛文期(1661年〜1672年)の街路・水路網です。この時代からすでに金沢は水にあふれていた。2つの惣構のひとつは前田利家が高山右近に作らせ(慶長4年(1599年))、もうひとつは前田利常が篠原一考に作らせた(慶長15年(1610年))とされています。
※「城下町金沢学術研究 城下町金沢の河川・用水の整備」金沢図(寛文期: 1661年〜1672年) の街路・水路網
そして、現在の金沢には惣構は跡として残っているだけですが(一部は用水として利用されている) 街の中が用水路であふれています。これは大野庄用水や辰巳用水、鞍月用水など昔からの名残です。農地用水・生活用水・庭園の曲水・工業用水・防火用水さまざまな用途として今も利用されています。
↑ 金沢駅近くの風景。用水路があえて見えるように整備されている。
↑ 金沢の浅野川で毎年行われる灯篭流し(6月の百万石行列前日)。
前金沢市長の「山出保」(やまでたもつ) 著書の「金沢を歩く」に金沢を流れる水の話がありました。「大樋長左衛門、天文 木村栄、仏教哲学 鈴木大拙、漆芸 松田権六、建築 谷口吉郎、金属造型 蓮田修五郎。芸術の完成と科学の理性に水の流れが無縁では無いのかもしれない。」と。
【その2】金沢観光にはどのくらい時間・日数が必要なの?
金沢は非常にコンパクトに観光地がまとまっています。下記の地図の赤いピンの部分、赤いエリアが観光地です。自転車で回れば一日で全部回れるのではないか?というくらいコンパクトにまとまっています。
様々なパターンで考えた結果、金沢市内は2日で大体は見て回れると結論に至りました。3日以上滞在する場合は能登方面や加賀方面へ足を伸ばしたほうがいいのではないかとおもいます。まとめると。
・金沢観光フルコース=2日(2泊3日)
・金沢観光フルコース+能登・加賀=3〜4日(3泊4日〜)
本ブログでもモデルコースとして様々なパターンをお伝えしていきます。2〜3日あれば金沢+α観光ができるよ!というところでしょうか。能登、加賀への行き方なども今後特集していきます。
参考:
金沢市民がおすすめする後悔しない初めての金沢観光「初心者向け」
金沢観光。美味しいものを食べようか。金沢駅でもらったパンフレット見ても分からねぇ。という金沢観光初心者のために、金沢市民がおすすめする絶対に後悔しない金沢観光を教えます。金沢市民がおすすめする絶対に後悔しない金沢観光を教えます。初心者編は一日で回れる、簡単に回れるをコンセプトにしてあります。( 2014年8月4日公開 / 10年 )
【その3】おすすめのシーズンはいつなの?
金沢のベストシーズンは2つ。グルメ派と観光派に分けられます。グルメ派は美味しいものを狙って食べに行くのがベストです。ただし!寒い!!
グルメ派は12月
グルメ派の場合のベストシーズンは12月。カニの解禁は北陸では11月上旬。富山になってしまいますが寒ブリもこの12月に捕れます。それが重なる12月がグルメ派にとっては最高の季節になるのではないでしょうか。ただし!寒い!
地元の印である加能カニのタグは青色です。
参考:
金沢市民がおすすめする「本当の金沢グルメ19厳選」
金沢の本当に間違いのないお店だけを集めました。鉄板のお店ばかりです。色々なサイトで紹介されているけど広告なんじゃないの?と言うのは一切なしで選んでいます。完全に独断と偏見でご紹介。でも厳選!もちろん金沢では高級なお店もあります。高級店は知っているけど高すぎていけないなどというのも市民感覚としてあったりします。観光に来たのだから是非とも行ってみて欲しい!とも思います。ちなみに予算はお酒込みで5000円までという庶民感覚で採点しています。( 2014年5月22日公開 / 10年 )
観光派は6月上旬
グルメはそこそこに美味しいものが食べれればいい。風情のある金沢の景色、文化を見たい。そういう時は6月の上旬をおすすめします。新緑美しく、そして、金沢のお祭り百万石祭があります。メインイベントである行列はたいしたことはないのですが、能など金沢の至る所でイベントが開催されています。私が一番好きなのはこの前日に行われる加賀友禅灯篭流しがとても美しくおすすめします。
※ 百万石まつり前夜祭灯篭流し
※ 百万石行列(前田利家の入城の日にちなんで大名行列を行います)
参考:
【完全保存版 北陸のイベント2016年度】金沢・石川・富山・福井のイベント・歳時記を完全にまとめました!紹介のイベントのためだけに北陸新幹線に乗って北陸にやってきても満足っすよ!!
北陸新幹線で北陸へ行こう!よし!イベント調べよう!ん??あれ?なんか違う。。せっかく北陸へ行くのだから地元の人の暮らしを知れる、代々続くお祭り祭事とかを見たいんだよ。というわけで、ここで紹介するイベントを目的に北陸来て欲しいという深さのあるものを全力でまとめました!北陸の魅力は石川富山福井の総力戦だ。( 2016年3月10日公開 / 9年 )
【その4】金沢への行き方は?
2015年3月には北陸にとっての革命が起こります。北陸新幹線が東京〜金沢間(長野経由)が開通となり、なんと!2時間半で東京・金沢間がつながることになります。それまでは電車では東京・金沢で4時間、飛行機でも金沢・小松・羽田となって金沢から小松までバスに乗って更に飛行機、京急、モノレールとなるので結局金沢・東京間は2時間半はかかる。北陸新幹線はまさに革命なのです。
北陸新幹線 – 2時間半 (2015年3月後半〜)
この記事を書いた段階(2014年8月)では北陸新幹線の値段もまだ何も決まっていませんのでなんとも言えませんが、地元雑誌の予測によると片道14,000円〜16,000円程度ではないかという予想です。ダイアも下記のような予測です。朝一番だと金沢・東京6時台発、金沢・東京には8時半には到着という時間になります。
特急はくたか + 上越新幹線 – 4時間 (〜2015年3月)
2015年3月後半には北陸新幹線開通とともにこの特急はくたか + 上越新幹線のルートは廃止となります。今まで何度もお世話になりました。首都圏往復きっぷというきっぷがありまして22,950円で金沢・東京往復。発売は北陸でのみ発売ということなので、東京からいらっしゃる際には購入は難しいかもしれません。新幹線が来るまではこちらを利用することになりそうです。
飛行機(小松空港-羽田空港,高速バス,京急など) – 3時間半
小松空港から金沢駅までおよそ35kmほどの距離があります。この距離はバスでの移動になります。時間として約1時間。この距離が意外と遠いんです。金沢市民はこの距離が遠くお値段も張ることもあって電車を使う方が多いのではないかと思います。そして片道の通常料金?24,890、旅割21で?13,690 やはり結構いいおねだんしますが、パックなどで買われると安いかもしれません。
さいごにまとめ
どうだったでしょうか。金沢に来る前に知ってほしい4つのこと。まとめておきますと下記の内容です。
【その2】金沢観光にはどのくらい時間・日数が必要なの? = 金沢観光フルコース=2日(2泊3日), 金沢観光フルコース+能登・加賀=3〜4日(3泊4日〜)
【その3】おすすめのシーズンはいつなの? = グルメ派は12月, 観光派は6月上旬
【その4】金沢への行き方は? = 北陸新幹線(2015年3月〜), 特急はくたか+新幹線(〜2015年3月), 飛行機(小松空港)
ここまで来たらもう金沢へ来るしか無いですねー!金沢へ来たらグルメに観光にぜひ楽しんでいってください。
余談:金沢へ来る前に読んで欲しい一冊をご紹介
前市長の山出保さんの一冊。どう市政に関わったか、「金沢愛」とともに書かれています。金沢へ行きたくなる一冊。おすすめです。