金沢で美味しいグルメ 「本当の金沢グルメ19厳選」 。 金沢に来たんだから美味しいものを食べて、石川県の地酒を。
むむ?手取川、常きげん?聞いていたがたくさんあってわからない。せっかくなので金沢らしい酒を飲んで帰りたい。
そこで、金沢の近江町市場にある老舗の酒屋「酒の大沢」さんで金沢へ来たら必ず飲んでいって欲しい、買って行って欲しい石川県の地酒を聞いてきました。
酒の大沢さんは金沢の近江町市場(おうみちょういちば)にお店を構えています。この近江町ですが歴史はおよそ280年ほど。近江町市場は天正8年(1580年)に青草辻に朝市が開かれ、享保6年(1721年)に市を集めたのが由来とされています。この近江町の由来や歴史については本マガジンでもしっかりとまとめています。
今回お話をお伺いした 酒の大沢 さんです。
店内はお酒でいっぱい。右の冷蔵庫には生酒が沢山入っています。どんなお酒を紹介してくれるのか楽しみです。
取材費や広告費など一切もらっていたりしない本当にピュアな内容になっているかと思います(逆に多少偏りはあるかもしれないけどごめんね)。
そもそも日本酒の種類
同じ銘柄でも沢山のお酒の種類があってよくわかりません。例えば 手取川純米大吟醸、手取川純米吟醸 この2つがあっても何がなんだかよくわかりません。
語弊があったら申し訳ないのですが、分かりやすくするためにおすすめ度を付けました。
アルコール添加無し:純米は米を醸した酒
日本酒は米、米こうじ、水だけで作ります。もちろん、米を醸してアルコールを作っています。これを純米というのです。そもそも、日本酒はこの純米だけだと思っていましたという私です。。勉強になりました。
精米歩合というのは酒を作る際に精米(米を削って白くする)をするのですが、削れば削るほど酒は美味しくなるというのです。この精米歩合というのはその削り率のことです。例えば精米歩合60%以下というのは米が全体の4割程度削ったという意味になります。
- おすすめ1位 純米大吟醸酒 (精米歩合50%以下)
- おすすめ2位 純米吟醸酒 (精米歩合60%以下)
- おすすめ3位 特別純米酒 (精米歩合60%以下で吟醸酒に達する醸造方法をとっていないなど)
- おすすめ4位 純米酒 (精米歩合70%以下だったが現在定無し)
アルコール添加あり:醸造アルコールを足した酒
純米がついていない醸造用アルコールが追加されています(コメ、さつま芋、とうもろこし、廃糖蜜など)。精米歩合の割合の意味は上記の説明と同じです。この醸造アルコール添加のお酒には5万円位(驚愕)する菊理媛(菊姫)もあるのです。醸造アルコール添加が良い悪いというわけではない。実はこの醸造アルコール添加というのが理解が難しいのが日本酒なのです。
なぜ、わざわざ醸造アルコールを添加するか。元々戦後、米不足から焼酎などの添加が求めらたのです。その後、醸造アルコールを加えると味がすっきりする、淡麗辛口になるなど、純米酒に比べて飲みやすい。そういう声が上がってきた。そこで、現在は純米の味のチューニング。天然を超える旨さを作る。すなわち醸造アルコール添加という形と考えて良いのではないでしょうか。
醸造アルコールはなぜ高級なのか?などの謎については 日経新聞の記事 がとても役に立ちました。参考にどうぞ。
- おすすめ1位 大吟醸酒 (醸造アルコール副原料,精米歩合50%以下)
- おすすめ2位 吟醸酒 (醸造アルコール副原料,精米歩合60%以下)
- おすすめ3位 特別本醸造酒 (醸造アルコール副原料,精米歩合60%以下又は特別な製造方法)
- おすすめ4位 本醸造酒 (醸造アルコール副原料,精米歩合70%以下)
おすすめということで順位をつけていますが、はじめて日本酒を買いたい!でもよく分からん!知識が無いんだよう〜という方々にもわかりやすさをどうしたら良いかなぁという観点、主観的判断も多々ありますのでご容赦くださいm(__)m
製法など
その他原酒というのがありますが、アルコール濃度20%程度のもので通常は加水して薄めているが、原酒というのは薄めていない酒のことをいう。よく見るのが、山廃仕込みなどの日本酒の製法が名前となっているものです。
山廃仕込みだけでも1記事になるくらい説明が大変なのですが、簡単にまとめると天然の優良酵母を純粋に育てる方法が取り入れられている仕込み方法です。長年の経験が必要になり玄人の酒ということになるかと思います(ざっくりとした説明ですいません)。
やはり説明聞いてもどの酒がいいの?分からない。そういう時は、大沢さんも言ってましたが 値段が高い方がお酒としては「質がいい」 とのこと。安くても美味しいお酒もあります!(重要) 安易ですがわかりやすさではこの方法が一番といえば一番なのかもしれません。
定番の3銘柄 (手取川, 天狗舞, 常きげん) 料亭・居酒屋で是非とも飲んで欲しい
それでは早速飲んで欲しい買って欲しい石川の地酒をご紹介していきましょう。(※順不同)
手取川 山廃純米酒 – 吉田酒造
手取川は石川県の白山市(金沢の隣の市)にある吉田酒造さんの銘柄の一つです。もしお店にあれば「手取川 山廃純米酒」を選びましょう。飲み屋にもおいてあるのかな?
吉田酒造さんは石川県で育てた酒米、そして、石川県の霊山である白山の伏流水を使い石川県の素材にこだわって酒造りをしているとのことです。石川県を味わうにはもってつけの一本といえるでしょう。
2009年ロンドンで開催されたIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)純米酒部門でゴールドメダル(最高位)を獲得した一本です。
天狗舞 山廃仕込み純米酒 – 車多酒造
天狗舞は石川県の白山市にある車多酒造さんの銘柄の一つです。「天狗舞 山廃仕込み純米酒」があればそちらを選びましょう。天狗舞の山廃はちょっと酸味があって、もしかしたら好き嫌いが別れるかもしれませんとのお話でした。
この天狗舞 山廃純米酒は天狗舞の看板商品で、こちらも2011年ロンドンで開催されたIWC純米酒部門でゴールドメダルを獲得した一本です。
常きげん 純米吟醸 – 鹿野酒造
日本酒を語る際に「農口尚彦」という杜氏(酒造り職人のこと)は外すことは出来ません。「NHKプロフェッショナル」にも農口杜氏は出演しました。
石川県はこの「常きげん」以外にも農口杜氏が手がけた酒が多々あります。最近では酒の銘柄そのものが彼の名前となった「農口」はあまりに有名ですが、それ以外にも菊姫など多々あります。その農口杜氏がかつて菊姫を退社してから手がけた酒、それがこの「常きげん」です。
農口杜氏は近年鹿野酒造さんを退社しましたが、この常きげんは彼の “生きたDNA” を継いでいる酒の一本といえるだろう。
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石川のおすすめ地酒5(定番以外) おみやげにも是非
ここからは定番以外の石川県の日本酒5つご紹介します。酒の大沢さんが多々ある日本酒のなかから厳選して頂きました。(※順不同)
黒帯 – 福光屋
金沢福光屋というと金沢市民の多くが知っている会社の一つです。福光屋の創業は1625年(寛永2年) 前田利常が農地改革、文化政策をし始めているような次期です。この黒帯は酒の大沢さんの説明は「あたためてもおいしい」かおりが飛ばない、うまみがある、蟹、鍋にあう!と冬の金沢グルメに全く合いそうなお酒の一つではないかとのお話でした。
黒帯の名前の由来はあの柔道から来てて、強そうなイメージとのこと。
あらばしり 手取川 – 吉田酒造
私が大好きな酒のひとつです。「あらばしり 手取川」こちらは生酒なので冷蔵庫などで冷やすお酒になります。このあらばしりを作っている吉田酒造の杜氏さん「山本杜氏」もこのお酒が一番好きだという話も聞きました。わかります。日本酒とは思えないフルーティーな味わい。
私もはじめて口にした時は驚きました。沢山飲み続けると余りの個性に飽きてくるのでデザートのように少量飲むのには最適です。女性におすすめする石川の地酒ベスト1ですと大沢さんの話でした。
白菊 – 白藤酒造
日本酒の中にはバーコードの付いてないお酒があるということをご存知でしたか?この「白菊」もバーコードのついていない酒の一つです。これだけ沢山お酒のある大沢さんのお店の中でバーコードがついていないお酒は2〜3のみとのこと。
なぜ、バーコードがついていないか。1.少量生産のため大量流通できない 2.特定のお店にしか卸さない という理由からとのことです。ちょっとプレミアム感のある白菊を試してみてはいかがでしょうか。
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AKIRA – 中村酒造
このワインのような出で立ち。名前も感じでドン!という感じではなくスタイリッシュにアルファベットで書かれたラベル「AKIRA」。有機栽培にこだわって栽培する金沢近郊で一番有名な農家、金沢大地さんが作った日本酒、それがこの「AKIRA」です。
海外での展開が多いみたいでニューヨークでも多くのAKIRAを飲むことが出来るようです。金沢の酒のDNAが少しずつ海外展開しているのは嬉しい事です。
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五凛 – 車多酒造
この五凛はさっぱり系の食中酒として、食事中にも飲める酒として重宝されると酒の大沢さんのお話でした。私が日本酒が好きな理由はまさに底にあります。ワインは食事と食事の間にブレイクとして利用する飲み物です。日本酒は異なっています。食事をいかに美味しくするか。蟹、ブリと一緒に飲むとより美味しくなる。まさに食中に重宝するお酒とは日本酒の真髄なのではないでしょうか。
金沢みやげにこれを買うべし!
沢山日本酒があるけどどれをおみやげとして買えばいいの?その答えも酒の大沢さんに聞いてきました。
天狗舞 – 車多酒造 おみやげはこれ!「石川県限定販売!」
↑ 天狗舞「純米大吟醸」 – 車多酒造
まず「石川県限定販売」これにかなうものはありません。そして、この日本酒は「白山菊水」という品質基準を満たしているというところです。この白山菊水というのは石川県の手取川水系での自家井戸の水、石川県内で醸造したことなど厳しい品質を通過したものとなっています。
↓ 白山菊水基準を満たしたマーク
最後に
いかがでしたか?石川県の地酒を金沢の老舗の酒屋さん「酒の大沢」さんに石川県の地酒について詳しく聞いてきました。せっかく金沢まで観光に来たのにどこでも飲めるビールだけ飲んで帰ってしまうのはもったいない。石川の地酒を是非とも飲んで帰って欲しい。おみやげにも是非生きた地酒を買って帰って欲しい。その一心で記事をまとめてあります。
記事を書いた私が一番好きなのは「あらばしり手取川」です。中ジョッキで限界を迎える私のように沢山お酒が飲めない方には最高の一本になるかと思います。
ロンドンで行われるIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)では石川県の純米酒が度々最高賞をとったりと世界に誇れる技術、酒があります。
そして、なにより農口尚彦を始め多くの杜氏が酒作りの伝統を受け継いでいます。
↑ 農口杜氏の「農口」は石川県内でまたたくまに噂が広がった。
金沢観光の際には是非とも石川の地酒を思う存分味わっていってほしいと思います。
また、本記事では実際に現地で味わって欲しいの思っており、サイトでの購入リンクなどは張っていません。もし、ネットショップで購入したい!という場合は取材協力してくださいました「酒の大沢」さんで是非購入してください。
取材協力:酒の大沢さん
↓ 一本一本細かく説明していただきました。
↓ ご協力ありがとうございました。説明していただきました大沢さん(いしかわ観光特使←うらやましい)は記念撮影の時にちょうど不在ですいません。
↓ 酒の大沢さん店内
↓ 酒の大沢さんのネットショップ
近江町市場 酒の大沢 へのアクセス
酒の大沢
〒920-0905 石川県金沢市上近江町30−1
076-232-3636
http://ohzawa.jp/