6月上旬(10日前後、毎年異なります)に金沢へ来るならこの灯篭流しを狙ってくる他に方法はない。それくらい見るべき金沢のイベントです。2013年は5月31日(金)でした。2014年は6月6日(金)。
金沢市は能登や富山南砺などと異なり長い歴史を持ったお祭りがあまりありません。一説によると徳川家の目につかないように派手な祭りはしなかったからだという言を聞いたことがあります。
能登の方では能登キリコに代表される祭りが多くあります。能登方面だけのお祭りをざざっとまとめただけでも
互市祭,七尾祇園祭,能登島向田の火祭り,六保納涼祭,なごしの祭り,塩津かがり火恋まつり, 石崎奉燈祭,新宮納涼祭,剱地八幡神社大祭（おさよ祭り） ,水無月祭り ,名舟大祭, 曽々木大祭 ,輪島大祭, 飯田燈籠山祭り ,宝立七夕キリコ祭り ,蛸島キリコ祭り, 正院キリコ祭り ,寺家キリコ祭り, 中居キリコ祭り ,明千寺キリコ祭り ,沖波大漁祭り, 大町・川島祭り ,前波曳山祭, あばれ祭り ,藤波キリコ祭り ,姫どいやさ祭 ,松波人形キリコ祭り, 恋路火祭り ,ござれ祭り ,にわか祭 ,波並キリコ祭り ,柳田大祭 ,小木袖キリコ祭り, 大福寺祭 ,西海祭 ,酒見祭 ,富来八朔祭り ,福浦祭 ,笹波・前浜祭
うわーすごいある。富山南砺でも 福野夜祭や城端曳山祭など歴史の長いお祭りがあります。
金沢は歴史の続くお祭は実際ないと言っても良い。
金沢の戦後復興を兼ねて商工会議所などが企画した「商工まつり」が現在も続いています。これが唯一の金沢のお祭り= 百万石祭り となっています。このお祭りのメインは甲冑を着た人たちが大名行列を模して金沢の街を歩くというシンプルなものです。前田利家、お松の方役にはタレントを採用しちょっと華やかにというのが現代の百万石行列なのです。
かつての戦後復興目的だった商工まつりでは地元の商店街のおっちゃんがその前田利家役を演じていたという話です。
この百万石祭り前日に必ず行われる「金沢友禅灯篭(とうろう)流し」が非常に優美、奥ゆかしい金沢の雰囲気を感じさせてくれるのです。ちょっと前置きが長くなってしまいましたが金沢の灯篭流しをご紹介していきます。
↑ 夜7時くらいから灯篭を流し始めます。
↑ 浴衣を着た海外の方もちらほらいます。
↑ 金沢では有名な梅の橋。梅の橋から灯篭流しを見ることも出来ます。すごく混みます。
↑ 一つ一つ手作り。なんて書いてあるのか一つ一つ見るだけでも面白いものです。
↑ 金沢の優美さを感じるなーと思うのはこういう風景を見た時です。
この灯篭流しを行っている浅野川ではかつて友禅の製造する過程で実際利用されていたようです。今も多少行っているようですが、片手で数えられる程度の人しか行っておらず、行っていないと言えます。友禅の詳細もまたいつかお話出来たらなと思います。
この灯篭流しの歴史も同様に非常に浅いものなのです。40年も無いくらい前から始まったイベントです。
ただ、この浅野川の歴史は古い。17世紀の金沢のことを詳しく知るための地図である延宝金沢図でもしっかりと浅野川の3文字が明記されています。
同様に友禅の歴史も同じように17世紀くらいからの歴史と言われています。そういう歴史のある場所、事を感じるには非常に良い数少ない金沢のイベントだと私は思っています。
歴史のあるお祭りの無い金沢。
灯篭流しが何百年も続くには実際「なぜ灯篭流しなのか」という理由付けが弱いような気がしていたりします。しかしながら、歴史とかまつりというものは「ノリ」や「美しい」とか直感が騒ぐものが単純に何百年と続いているものだと私は信じています。直感に響くこと、継続することにまつりの本当の意味があるのかもしれません。
2014年の金沢友禅灯篭流しは6月6日(金)に開催されます。場所は毎年変わらず金沢の観光地、東山茶屋街近く浅野川沿いです。最下部地図を参照してください。金沢駅からは金沢駅東口よりJR,北鉄バスにのって橋場町下車で会場へ行くことが出来ます。時間は19時からなのでちょっと早めに到着した方がいいでしょう。
灯篭流しのあとの金沢グルメ
この記事 金沢市民がおすすめする「本当の金沢グルメ19厳選」 にある「主計町・ひがし茶屋」を参考にしてください。
個人的には「ちょう吉(3000円〜)」
がおすすめかな。予約もいらないし。ただ、めっちゃ混んでそうだ。